チャールズ・ビック氏は、先の北朝鮮の新型ミサイルに関するレポートを17日に公開していました。ノドンBのレポートの末尾に追加される形なので、トップページでは知らせなかったようで、見過ごしていました。前に書いたことと重複しますが、真相に関わる部分だけ、要旨を箇条書きにします。
- ノドンA、ノドンBのいずれも、入手できた北朝鮮発のテレビ映像に
- 写っていない。
- 同様に、スカッドER、テポドン2も写っていない。
- テレビ映像で確認できるのは、NK−02、SAM−5、AG−1、スカッドC、スカッドBだけである。
- ノドンBに似ていたのは、会場に掲げられた軍の記章の絵柄だけ。
- ノドンが映像に写っていなかっただけの可能性もある。
- アメリカは偵察衛星やステルスUAVで、一般には公開されない場所に整列したノドンを確認したのかもしれない。
- よって真相は謎のままである。
確かに分からないことばかりです。新型ミサイルなので、パレードの出発地点に並べて来賓と上空の各国の偵察衛星にお披露目して公開の目的を果たし、ノドンBだけはパレードをしないという選択肢は十分に考えられます。これなら、テレビ局のスタッフがうっかりと新型ミサイルを撮影してしまうのを防げます。偵察衛星では分からない部分まで公開されることを避けたいとすれば、こういう方法をとるかもしれません。そういえば、日本のテレビ局がこのパレードを間近で撮影しようとして、北朝鮮人に静止される映像をニュース番組で見た記憶があります。
今回の報道で、「ムスダン」という名前のまったく新しいミサイルが登場したように印象付けられたのは問題でした。アメリカがノドンBに正式にこのコード名をつけたので、そのように錯覚したのでしょう。
また、スカッドERが確認されなかったことで、昨年7月に北朝鮮がミサイル試射を行った中にスカッドERが含まれるとした額賀防衛庁長官(当時)のコメントは信憑性が薄くなったと見てよいと考えられます。