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戦争責任者もイラク政策に疑問

2007.6.8



 military.comによれば、戦争責任者に指名されたダグラス・リュート中将がイラク政策の成功に疑問を表明しました。

 上院軍事委員会に先立つ公聴会で、リュート中将はアメリカの圧力の強さに関係なく、イラク政府が全土を統治する能力には疑問が残ると述べました。中将は、アメリカがイラクに結果を出させるためにどれだけの余裕があるかではなく、イラクが結果を出すためにどれだけの能力があるかだとも述べました。また、AP通信が入手した書面に、米軍の「増派」はイラク政府と米政府の非軍事当局によるもうひとつの「増派」がなければ、一時的で局地的な影響に留まるのではないか、と書いています。

 まるで冗談のような話です。苦労してようやく決めた戦争責任者にして、この発言です。しかし、これは軍人としてまっとうな懸念というものです。ブッシュ政権を守る人はもう誰もいないのかも知れません。イラク政策に対しては、当初から専門家が懸念を表明してきました。うまく行くと言ったのはブッシュ政権だけで、米国民はそれにすっかり乗せられてしまいました。まっとうな意見を述べた者が非国民扱いされ、無謀な軍事作戦を指示した者が愛国者とされたのです。軍事政策は失敗してもごまかしやすいもので、理詰めで誤りを指摘するのは難しいものがあります。戦争は偶然がつきもので、そのために理論だけでは追求しにくいのです。筋の悪い作戦でも、強運があれば勝つ場合もあるのです。しかし、そうした作戦を繰り返せば必ず失敗します。イラク戦が4年以上経過して、もはや誰の目にも失敗は明らかです。4年の間に、アメリカは大きな損失を被り、今もそれは続いています。こうした誤りを犯さないために、私たちは戦争を見る目を養わなければならないのです。

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