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長期抑留を連邦控訴裁が禁止

2007.6.12



 military.comによると、米連邦控訴裁判所、第4巡回控訴裁判所はブッシュ政権がアルカイダのエージェントとみなしている移民を罪状なしに拘留できず、連邦軍事委員会はアリ・アル・マリ(Ali al-Marri)の憲法上の権利を奪うことはできないと裁決しました。

 アリ・アル・マリは米国領土内で逮捕された唯一のアルカイダのメンバーで、2001年に逮捕された後、2003年6月からはサウスカロライナ州のチャールストンにある海軍刑務所の独居房に収監され続けています。連邦捜査官は、彼がオサマ・ビン・ラディンと9・11の首謀者カーリッド・シーク・モハンメッドと共にアルカイダのキャンプで訓練を受けたと疑っています。

 しかし、彼が2001年に最初に逮捕された理由はクレジットカード詐欺など経済事件だけで、2003年からの拘留は敵戦闘員であることが理由です。ブッシュ政権は彼は敵戦闘員だとして、長期抑留の根拠としています。そのため、一般の裁判所ではなく軍事裁判所で裁かれるべきという議論が続いてきました。彼がアルカイダの財務官と連絡を取るために使ったテレフォンカードを持っていたことなど、主に財務関係の活動をしていたことは証明されています。しかし、破壊活動に加わった証拠がはっきりしないようです。こうした裁判の証拠はマスコミに報じられる程度の情報では判断できません。裁判に提出される証拠は、視点を変えると結論が正反対になるほど微妙なのが普通だからです。アリ・アル・マリへの嫌疑がどれほどなのかは分かりませんが、グレーゾーンなのは間違いはないようです。現在の法概念では、破壊活動を行わない限りはハーグ規則の背信行為にはあたりません。テロ事件を起こすための後方支援を行ったけど、破壊には直接関わっていない場合の法的処理は、法律家も判断がむずかしいのでしょう。そういえば、フセイン政権のムハマンド・サイード・アル=サハフ情報相もあれだけテレビに出て宣伝塔役を務めたのに、米軍は彼を手配すらしませんでしたね。この問題は今後のためにも検討する価値がありそうです。

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