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負傷すると手当が減る米軍

2007.6.15



 military.comによると、イラクとアフガニスタンで負傷した退役軍人の傷害賃金が、健康な退役軍人に比べて格差が生まれており、特に若い兵士に著しいという調査結果が出ました。

 20,000人を対象としたこの調査によれば、負傷に対する補償が高年齢に設定されていて、現役を引退する65歳以上になってからはじめて補償を受け取るようになっています。記事には実例がいくつか引用されています。そのひとつによると、身体的傷害により復員軍人局が100%の傷害割合、雇用不能と認定された25歳の退役軍人は年間に28,352ドルを受け取ります(2005年の場合)。同様の条件で健康な退役軍人の場合、39,447ドルを受け取り、その格差は11,000ドル以上に昇ります。28,352ドルという金額は、65歳で雇用不能の退役軍人が受け取る金額と同じです。

 私も負傷した兵士の方により多くの補償が行われていると信じ込んでいましたが、実際に調べてみると逆で、健康な兵士の方がより多くの補償を受けられるというわけです。傷痍軍人に対する対応は、まるで「水に落ちた犬は打て」です。犠牲を払ったのだから報いて当然と考えるはずなのに、実際には冷たい態度しかしていないのです。アメリカはおそらく世界で最も充実した復員軍人の支援制度を持つ国です。世界中の軍隊のほとんどで、退役軍人は満足な待遇を得られていません。数年前だったと記憶しますが、中国では退役軍人が待遇改善のためにデモを行ったほどです。あまりに待遇がひどくなるとクーデターが起きることもあります。国家にとって軍隊は存在を保証する組織ですが、同時に危険な存在でもあります。

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