アフガニスタンから意気がくじける話が出てきました。military.comによれば、タリバンによって殺されたアフガニスタン国民の数は、連合軍が殺したアフガン国民とほぼ同じだというのです。
国連、アフガンの統括組織、国際援助団体による統計によると、今年最初の5ヶ月間にタリバンと連合軍が殺したアフガン国民の数はほぼ同数です。AP通信は公式な数字から、2007年6月23日までに、タリバンは178人を、連合軍は203人のアフガン人を殺害したことを認めました。カルザイ大統領は土曜日に、過去10日間に90人のアフガン国民が米軍とNATO軍に殺されたと述べました。アメリカとNATOはこれらの数字を掌握していないとしています。
アメリカやヨーロッパで同じことが起きた大問題になるのでしょうが、アフガンでは無視されるのです。こんなものと言えばこんなものなのでしょうが、これらの数字は武力による成果の本質をよく言い表していると思います。他人に対して発した攻撃は、すべてが敵に命中するわけではありません。ジェームズ・ボンドは敵しか殺しませんが、こういうことは実は相当にむずかしいことです。だからこそ、ボンドの活躍は楽しく見られるわけで、私たちは自分にできないことをヒーローに求めているのです。特に、若い人の中に、こうしたことについてまったく無頓着で、無邪気な武装防衛論を論じる人がいるのが、私には気になります。