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中越沖地震の教訓

2007.7.17



 昨日起きた新潟県中越沖地震が思わぬ被害を出したことは残念でした。倒壊した家を見ると、個人住宅に耐震・免震機能が必要なことを痛感しました。しかし、緊急時の対応は以前よりも早くなり、早い段階で自衛隊の活動が始まったことは評価できます。消防の動きも速く、負傷者の運搬は比較的スムーズだったようです。なにより火災が起こらなかったのが幸いでした。

 原発については問題を残しました。柏崎刈羽原発が自動停止したのはよかったのですが、発電施設で火災が発生し、微量の放射能漏れが起きたことは驚きでした。ニュース映像に、柏崎刈羽原発の敷地内の地盤がずれているのが写っていました。この程度の地震で地盤がずれるような場所に原発が建っているのでは、いつ原子炉がある場所の地盤が動くか分からないということでもあります。活断層の近くには原発を建てないことが望ましいのですが、実際には危険の少ない場所を選んで建てています。そもそも活断層とは200万年程度の間に活動が確認された場所ですから、活断層がないところも動かないという保証はありません。柏崎刈羽原発の敷地内に活断層はないのでしょうが、これだけ地盤が動くことが明らかなのですから、原子炉がある場所の地盤もずれる可能性はあります。原子炉自体は頑丈に設計されているので、少々のことで放射能が漏れることはありません。それでも不安を打ち消すことはできません。

 ニュース映像を見ていて、ほとんどの住民が非常食などの防災用品の備えを持っていないことに気がつきました。ある避難所では夜遅くにパンが一人1個支給になっただけでした。逆に自宅の庭で夜を明かした人の中には、テントを張り、チキンラーメンを食べている人がいます。地震の場合、翌日〜3日後からは食料が届くようになることを考え、1〜3日分の食事と飲料水は自分で確保できるようにする必要があると感じました。水害などで家が孤立する恐れがある地域では、さらなる備えが必要です。ヨーロッパでは長期間分の食料品を自宅に備蓄するように求められる国があります。このサイトのストアでも紹介していますが、十分に研究された非常食を備えておくことは重要です。日本で非常食というと乾パンのようなものが多く、水がないと食べにくいものが多いという問題があります。なによりメニューの種類が少ないのが最大の欠点です。野菜を使ったメニューが少なく、肉が中心のメニューが多いのも問題です。ホリカフーズの「レスキューフーズ1日セット」は3食分で1セットなので、これを家族一人について1〜3個用意しておけばよいでしょう。この記事を書いている段階では、この商品は取り扱いしていないので、同社のサイトを見て下さい。他にも色々な非常食が掲載されています。その他、体育館の堅い床に寝ることを想定して、断熱機能のあるマットなども必要です。その他、非常用トイレや常備薬などをセットにして、すぐに持ち出せるようにしておく必要があります。こうすれば、被災後に慌ててスーパーやコンビニに走らなくても済みます。

 こう考えると、避難所に行くよりも自宅内に堅固なシェルターを用意して、家が倒壊してもそこは潰れないようにした方がよいのかも知れません。その中に防災用品を備蓄し、逃げ込みやすいように家をデザインするのです。最近の個人住宅には鉄筋が導入され、高層ビルの耐震構造やフレームの上に家を乗せる免震機能などが当たり前になりつつあります。倒壊する心配はほとんどなくなっていますが、電気・水道・ガスのない状態でも当面生活を維持できるようにしておく必要はあります。

 なお、社団法人日本缶詰協会のサイトに、ホリカフーズの別府茂氏が書いた「被災地の食事と缶詰・レトルト食品」が掲載されています。非常食について考える時にとても有益な記事ですので、ぜひとも読んでください。

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