military.comによれば、連邦高等裁判所が復員軍人援護局を厳しく批判し、ベトナム戦争でオレンジ罪に被爆して白血病になった軍人に対して給付金を遡及的に支払うように命じました。
この命令は、1986年に起こされた集団訴訟に基づき、1991年に締結した給付金に関する協定を一審裁判所が適切に解釈していたかという技術的な問題に対する回答です。復員軍人援護局は2003年に慢性リンパ球性白血病にかかったベトナム帰還兵への給付金を支給することに同意していました。今回の命令は過去の分も合わせて支払うよう求めるものです。この判決により支払われる給付金の額や支払いを受ける退役軍人の数は現在のところ不明です。しかし、復員軍人援護局は連邦最高裁判所に上訴する選択肢が残されています。
また退役軍人の利益が無視されていたという事件です。日本でも年金に関する問題が起きていますが、一番信頼が置けるはずの政府の保証もこの程度というよい教訓です。実際には軍務に関係する傷病でも、補償が行われない事例は過去からいくつもあります。こうしたことは日本では一般のマスコミもあまり報じませんし、軍事関係のメディアは武器の情報が中心です。しかし、そればかりが戦争の顔ではありません。戦争で起こり得ることはすべて考察の対象とすべきです。海外派遣が本来任務となった自衛隊にとって、この種の問題はこれから起こり得ることです。日本の法体系の中ではどうなるのか考えておく必要があります。特に、自衛官やその家族にとって重要な問題です。