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米提督、「中国の空母開発に協力する」と発言

2007.7.26



 これも泥さんからの情報提供です。ボイス・オブ・アメリカが、中国の航空母艦開発に協力したいという米海軍高官の談話を報じました。

 中国を訪問中の米海軍のティモシー・キーティング大将は中国海軍のウー・シェンリ中将との昼食前に記者会見を行い、中国が航空母艦を開発することを「理解できる」と述べ、協力を惜しまないと表明しました。

 親善訪問中のリップサービスとはいえ、中国が望む範囲で、アメリカができる範囲で協力したいと述べたのは驚きです。中国が大型の航空母艦を所持することは、台湾と中国の関係を不安定にさせる可能性があるからです。しかし、今回のキーティング大将の訪問では、台湾海峡での対立を導くようないかなる誤解や誤算を防ぐことで中国側と合意したと言います。アメリカは中国の軍拡を懸念しながらも共同訓練を行うなどして信頼醸成にも努めています。今回の発言も、そうした矛盾した環境の中から出た発言と受け止めた方がよさそうです。しかし、実態が見えにくい中国軍に対して、過度の協力は心配を増やすだけです。日本がイージス艦を持ったら韓国も入手したように、中国の航空母艦配備は日本と韓国を強く刺激すると考えられます。

 キーティング大将は、航空母艦を開発し、建造し、運用することの難しさと複雑さを述べたとも記事は書いています。そう簡単には航空母艦は使えないことを踏まえての発言かも知れません。また、大将はこの地域でいかなる緊張が生じることも望まないとも発言しています。どの道、協力するとなれば、どのような協力が許可できるかが慎重に判断されることになります。中国が無茶な要求を出してきたら却下するだけの話です。また、それによって中国がどの技術で行き詰まっているかを知ることもできます。

 ただ、日本としては政府から「好ましくないこと」と意見を表明しておいておかしくないことです。アメリカの真意を探る上でも、そうした行動が必要です。参考までに、参議院外交防衛委委員会の報告書を紹介します。ここをクリックするとpdfファイルをダウンロードできます。


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