marine-corps-times.comが民間軍事会社に関する記事を報じ、民間軍事会社の警備員の無差別な発砲について書いています。
民間軍事会社の警備員はイラク国内に少なくとも48,000人おり、自動銃、ボディアーマー、ヘリコプター、防弾車両を装備し、会社に対してだけ責任を負っています。彼らはイラク国民だけでなく、米兵やイラク兵に対しても発砲しています。
民間警備員はイラクの国内法による訴追から完全に免責されており、米軍兵士がイラク国民を殺害した事件に関してこれまで60人以上が起訴されているのに対し、彼らは1人も起訴されていません。一部の軍事アナリストと政府高官が軍事域外管轄権法(The Military Extraterritorial Jurisdiction Act)によって民間警備員を裁くことができると主張しますが、一般的な認識ではありません。
バージニア州にある会社の社員が「今日は誰かを殺す」と言って、イラク国民に発砲し、おそらく1人を殺害した事件。レンジャー隊員2人、海兵隊1人が民間警備員により射殺された事件。2005年にインターネットに投稿されたビデオは、民間警備員が走行中の車両に発砲する様が写されていました。関与を疑われた会社は、早すぎる速度で接近した車に対する発砲は合法だと主張しました。2005年に16人の民間警備員がファルージャで、海兵隊の観測拠点とパトロール隊、イラク市民に発砲したとして逮捕されましたが、3日間拘留されただけで帰国が許されました。しかし、16人の警備員は拘留中に海兵隊員から屈辱を受け、「傭兵」と呼ばれ、犬を嗾けられたと抗議しています。海兵隊の高官は16人に軍事基地への立ち入りを禁じ、抗議の書簡を送りました。こうした事件により兵士と民間警備員の間には憎しみが生まれました。軍はこうした民間警備員の行動を追跡しようとしていますが、彼らは報告の義務を負わないため、うまく行っていません。
軍務の民間委託が進む中、こうした問題が起きているわけです。日本はそんな国に陸上自衛隊を派遣し、現在も航空自衛隊がこれに近い場所で活動を続けています。こんな鈍感な軍事政策を行っていれば、いつかは過ちを犯します。戦争自体がとてつもない愚考であるのに、その上にさらに民間軍事会社という厄介事が乗っているのがブッシュ政権のイラク政策です。サマワ派遣隊が無傷で帰ってきたのは奇跡のようなものだと思わずにはいられません。しかし、軍事作戦はこんなものだと軽く考えてはいけません。湾岸戦争で米軍は奇跡的に少ない損害でイラク軍を撃退しました。戦争はいつやってもこんなものだと考えてはいけないのです。パチンコで、昨日稼がせてくれた台で今日も稼げないのにたとえるのは不適切かも知れません。しかし、戦争にはこうした不確実性があります。我々にできるのは負ける確率をできるだけ減らすことだけで、ごく小規模な戦いを除いては、戦争を完全に管理することはできません。