EFPに耐えるハンヴィー改造キットとは?
military.comによると、
AMゼネラル社(AM General)で多目的兵員輸送車ハンヴィーを自己鍛造弾頭(explosively formed penetrators: EFP)に耐えられるようにする「Frag Kit No. 6」という改造キットの研究が進んでいます。
このキットは最も装甲が厚いM1151型のハンヴィーに取りつけられます。対地雷装甲車(field Mine Resistant Ambush Protected vehicles: MRAP)が大量に発注されたことは知られていますが、これらの数量はまだ多くありません。そこで、普遍的に使われているハンヴィーの装甲を強化し、イラン製のEFPに耐えられるようにしようという訳です。現在のハンヴィーはEFPに直撃されると車体が二つに裂けてしまいます。
このキットは数種類の金属の組み合わせが使われ、EFPの直撃の衝撃を弱めるためのスペースを作り出します。キットを取りつけることで、車体の重量は1,000ポンド(約453.5kg)上昇し、両幅は全域に渡って12インチ(約30.5cm)増加します。重くなったドアの開閉には機械の補助が必要で、ドライバーは狭い場所に車を入れられるかを確認するための組込型の視覚補助装置を使います。
「このキットは完璧ではない」と同社の幹部は言います。このキットが記事に書いてあるとおりなら、車体の下で爆発するEFPには効果がないように思われます。車体下部の改造が全くないようですから、周囲で爆発するEFPしか防げないと考えられます。MRAPは車体下部が斜めになっていてEFPのパワーを減少させますが、この改造キットにはそれはなさそうです。前に使われていた改造キットはIEDの爆発で車体が歪み、ドアが開かなくなるという問題がありましたが、今回のキットはそれが解消されているのでしょうか。
それでも、AMゼネラル社は陸軍が発注した場合、3,000個の改造キットを提供できるようにしようとしています。同社はさらに進化したハンヴィーを開発しようとしており、これは水圧装置によりハンヴィーの車高を76インチ(約193cm)から83インチ(約211cm)へ上下させられるといいます。エンジンも強力なタイプに置換されます。これにより、IEDの衝撃を緩和できるのです。こちらの方が効果は高いかも知れません。しかし、武装勢力はIEDやEFPの威力を増やして対抗できるでしょう。いたちごっこは、まだまだ続くのです。しかし、私の見解では、ハンヴィーはいくら改造しても爆発物から完全に守ることはできません。それほど頑丈に作れる車両ではないからです。