もしイラク増派が延長されたら
最近は作戦行動に関する情報が減っています。米議会への報告が近づき、米軍は情報公開を差し控えているのかも知れません。そんな中で、増派部隊の撤退に関する情報が出てきました。
military.comによれば、今年、イラクに増派された5個旅団は来年4月から8月の間に15ヶ月の派遣期間満了を迎えます。これらの部隊は派遣期間を延長されることはなく、現在、撤退計画が作成されつつあると言います。
しかし、悪いニュースもあります。
marine-corps-times.comによれば、ブッシュ大統領が来年の春を越えて増派を延長しようとすると、米陸軍はほとんどの戦闘部隊や選択できる資源を失うことになるといいます。38個の戦闘部隊はすでに派遣されているか、帰国したばかりか、すでに次の派遣に指名されているかで、増派した5個旅団と交替する部隊はありません。増派を延長するなら、15ヶ月以内とされる派遣期間を延長するしかありません。すでに取り上げたと思いますが、米陸軍は2012年までに65,000人増員して547,000人に増やし、2013年までに戦闘旅団を38個から48個へと増やす予定です。これはイラク戦が長引いた場合に備えての計画です。
イラクの治安に関する情報は減っていますが、さらに悪化していることを示す情報があります。
marine-corps-times.comが、米軍はイラク南部からイラクに潜入した革命防衛隊のイラン兵50人を追跡していると報じました。彼らはバグダッド南部にいて、シーア派武装勢力を支援しています。バグダッド南部の米軍指揮官リック・リンチ少将によれば、米軍、イラク軍、民間人への攻撃の46%はシーア派武装勢力によるものです。現在、バグダッド南部ではスンニ派とシーア派の武装勢力がますます盛んに活動するようになっています。このために増派がさらに長引くようなら、アメリカ国民のブッシュ政権への批判は益々強まるでしょう。米軍内部からの突き上げも激しくなります。日本人としては、アメリカで「日本にすぐに使える戦力があるじゃないか」という意見が湧き起こることも想定しておくべきでしょう。