military.comが、父親が出征した家庭では子供の虐待や育児怠慢が増加するという研究結果を報じました。これらの問題には育児怠慢、育児放棄、肉体的虐待、性的虐待が含まれます。
国防総省が費用を出した研究によれば、父親が出征した家庭では母親が子供を虐待する可能性が3倍高く、肉体的な虐待は2倍、育児怠慢は4倍近いということです。この研究は2001〜2004年までの陸軍の2つのデータベースの情報を分析した結果です。約3,000人の子供に虐待と育児放棄が確認されました。10件中9件は女性によって引き起こされています。全世界約1,800軒の陸軍の家庭に対する調査では、性別に関係なく軍人の親が出征した期間には42%以上の虐待と育児怠慢が報告されています。
こうした問題が起きる原因はあまり書かれていないのですが、おそらくはストレスが原因でしょう。いくら家庭を守っていても、配偶者は帰ってこないかも知れないというストレスが蓄積し、生活に破綻を来してしまうのではないかと考えられます。今回の研究は、これまで美談に隠され気味だった出征兵士の家族に関するイメージを大きく変えました。トラウマは兵士だけでなく、その家族をも襲うのです。出征兵士に対するサポートは倫理的な立場からに限られてきましたが、今後は精神医学的な見地からのサポートが必要なのでしょう。同じことが旧日本軍の出征家族でも起きていたのかも知れませんが、耳にしたことがありません。こうした問題は美談の陰に隠されやすいのです。