アルジャジーラによれば、最大800万人のイラク国民の半数が絶対的な貧困にあるなど、危機的な状況を抱えています。
オックスファムとNGOイラク調整委員会(NCCI)によればイラクでは、食物、住居、水、公衆衛生、ヘルスケア、教育、職が欠乏しており、200万人の住居がなく、200万人が難民となっています。何千もの医療従事者、教師、水道のエンジニアが流出は不適切な公共サービスを増加させています。政府による公共の流通システムから食料を得ている食料援助を受けていた400万人の96%が2004年に60%へと下落しました。十分な給水を受けていないイラク人の数は2003年以降、50%から70%まで上昇しました。イラク人の80%は効果的な公衆衛生を得られていません。子供の栄養失調立は2003年の19%から28%に増加しました。オックスファムのサイトの記事には、さらに15%にあたる400万人は十分な食事を買えず、92%のイラクの子供は学習上の問題を抱えていると書かれています。さらに詳しい情報はpdfファイルで公開されています。
イラク人が置かれた状況は想像以上に悪いものです。イラク侵攻が完了して以降、米軍の医療部隊が医療サービスを提供し、その他の軍が同様のサービスを提供し、イラク復興資金として多額の予算が投下されました。日本もサマワで給水活動を行い、韓国軍も医療サービスを提供していたことは何度も報道されてきたとおりです。ところが、その成果がまったくと言ってあがっていなかったことが、この報告により明らかになったのです。Amazon.comの「イラク自衛隊『戦闘記』」(佐藤正久著)の読者評を読むと、 サマワでの復興支援の成果に肯定的な声が多いことが分かります。これは実際に活動した人の話にシンパシーを感じる自然な心理と言えますが、軍事的な考察としては十分とは言えません。結果的に成果があがったのかを確認するまでは結論を出すべきではないのです。今回の報告はフセイン時代の方が公共システムが機能していたことを示しており、復興支援が効果をあげていないことを示しています。小泉純一郎の言ったことを信じた人たち、また信じている人たちは、この数字を見てよく考えてみるべきです。無理を強いられた陸上自衛隊と無理を命じた小泉政権と日本政府は分けて考えなければいけないのです。