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ハンヴィーの新しい改造キット

2007.9.1



 military.comによれば、米軍がまたハンヴィーの改造キット「緊急脱出用車両ウィンドウ(The Vehicle Emergency Escape windows )」を発注し、11月中旬までに約1,000キットが発送されると予測されています。

 このキットは、ハンヴィーが横転したり、水没した場合、500ポンド(226.8kg)のドアを開くことなく、防弾仕様のウィンドウを外して脱出できるようにするものです。ハンドルを回すとロックが外れ、ウィンドウが外れます。その操作には5秒間しかかからず、脱出は1分間で完了します。開発元のBAEシステムズによれば、契約額は1,250万ドルです。

 分厚い防弾ガラスをどのように外側に外すのかは、記事には書かれていませんが、同社のサイトには写真が載っています。しかし、この構造だと、完全に水没した場合は、ウィンドウを外側に押し出すのは無理のようです。この写真ではフロントウィンドウの仕組みしか分かりませんが、後部座席の兵士もフロントウィンドウから脱出するのかも知れません。この改造は戦域で整備部隊が行えるという簡便さが利点のようです。これなら、改造する車両を工場まで移動する必要がなく、整備部隊が各部隊を訪問しながら改造できます。しかし、たった1,000キットでは不十分ですし、期日通りに配送できるのかについて同社の担当者は明言を避けました。

 米軍から出る情報を眺めていると、しばしば米軍車両が横転したり、河に転落したりしています。IED攻撃を避けるために早い速度で移動するためかも知れませんが、わざわざ横転から脱出するシミュレータを作ったことからして、公表されている情報よりも横転・水没事故は多いのかも知れません。いつも気になっているのは、事故そのものを起こさないようにする訓練がどのように行われているかということです。事故後の対策しかやっていないのだとすれば問題です。

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