ワシントン・ポストが、ペトラエス大将とクロッカー大使が下院委員会で証言し、一連の議会の証言が始まったことを報じました。これから数回の証言が行われ、最後に軍事委員会で証言する予定です。内容は予想通りで、これからアメリカ国内で激しい議論を巻き起こすと思われます。
ペトラエス大将の主な証言
- 我々の目標は早くも簡単でもありませんが、いつかはイラクで達成できると信じるのは可能だと信じます。
- 来月から海兵隊の部隊を撤退させる米軍の引き下げを推奨します。
- さらなる再派遣は来年から、2008年7月中旬までに約130,000人の米軍部隊を引き下げて継続されるべきです。
- これは名ばかりの撤退ではありません。陸軍5個旅団、海兵隊遠征隊と海兵隊大隊2個大隊を撤退させることを推奨します。これは大規模な退却です。
- この提案はイラク戦争が米軍部隊に課した負担を考慮しています。
- すべてのイラク国民は、これが占領の終わりだと理解するので、計画を立て始めるでしょう。
- 進歩はイラク全土では均一ではありませんでした。しかし、暴力の全体的なレベルは2006年の高いレベルから今年は減少しました。過去の2週間の事件の数は、2006年6月以来、最も低く、過去12週間中の8週間、イラクの陸軍は「多くの区域」で主導権をとり始めました。
クロッカー大使の主な証言
- アメリカがイラクにおける目標を現実に達成することは可能で、イラク人は彼ら自身で統治することが可能です。
- イラクの政治的な軌道線は急上昇ではないけれども、大体は上を向いています。
- 勝利を宣言できる瞬間はありませんが、どの転回点も振り返ることでだけ認識されるでしょう。
- イラクはいま体制変革なんてものではなく、革命を目撃しているのです。
- ほとんどのイラク人は依然としてイラクを他民族、他宗派社会を持つ単一の国家と認識しています。
- アメリカがイラクに関わることは、イラク国民の間の新しいバランス・オブ・パワーを協議する各地の努力とイラクのアルカイダのような外国の武装集団に対抗することを手助けするのに重要です。
- 私はイラクでの成功は保証できません。私はそれが達成可能だと…強く信じます。
- 我々の努力を放棄したり、大きく切りつめることは誤りをもたらすでしょう。我々の現在のコースは困難ですが、他の選択肢はもっと悪いでしょう。
これで記事の半分くらいをまとめただけです。まったく笑い話です。自信のなさが証言の随所に溢れています。日本を統治してから4年後の状況と比較してみればよいでしょう。約7年間の占領統治時代において、強盗目的での米兵の殺害はあったものの、政治的な理由による攻撃は一切起こりませんでした。それが一部の地域で暴力が減ったことしか報告できないのでは話がまったく違います。アルジャジーラのコメンテーターが「統計の数字の都合のよいところだけを取り上げた恣意的な発表」と評しました。彼は夏場は毎年テロ事件が減る時期だから、こうした結果は当たり前だというのです。私も過去のテロ事件の推移を見てきた結果、同じ意見を持っています。多分、イラクの夏は活動するためには暑すぎるのです。私は開戦以来、米兵の戦死の状況を示した情報に注目してきました。それは血圧のようなもので、イラクの状況を診断するためには極めて有効なのです。そうした努力をしてきた人には、今回の議会証言は茶番にしか見えないはずです。
それから、GCマガジン10月号に前国防長官ドナルド・ラムズフェルドのインタビュー記事が載るとmilitary.comが報じました。しかし、同誌のウェブサイトのトップページにはコリン・パウエルのインタビュー記事「I'M SORRY」が載っていて、まるで冗談のような感じがします。ラムズフェルドはアフガニスタンでは成功したが、イラクでうまく行かないのはイラク政府の失策によるものだと言っています。自分が戦略を誤ったためだとはまったく考えないようです。