military.comによれば、米陸軍研究所とAMゼネラル社は非金属製のハンヴィーの開発を促進しています。ジープの時代から、この種の車両には様々な改造が施されてきたものですが、今度は軽量化を目指しています。
従来の車種よりも900ポンド(408kg)も軽くなる軽量型ハンヴィーは、フレームとボディがファイバーグラスとバルサ材、発泡体と炭素材の強化材でできており、それぞれの部品は接着剤で接合されます。フェンダーは手で押せば曲がり、放せば元に戻ります。装甲を強化したハンヴィーは、車高が下がり、よけいにIEDの爆発に近づくため、被害を受けやすいといいます。軽量型ハンヴィーの開発はそれを防ぐための措置です。レキシントン研究所の研究員ローレン・トンプソンは、軽量型ハンヴィーは若干の利点はあるが、製造するのにはより費用がかかると指摘しましたが、金額は示しませんでした。
これは将来に向けての装備と見るべきで、現在のイラク戦争には大した効果は生みません。どの道、ハンヴィーは強力なIEDにかかるとバラバラになる程度の強度しかないのです。軽くして車高を高くしてもIEDには勝てません。燃費がよくなることは利点ですが、製造費の高騰で無意味になるかも知れません。しかし、いまの米議会は「兵士のためになることなら、何でもやれ」という気風でいっぱいです。軽量型ハンヴィーを量産する予算が決まる可能性は極めて高いと言えるでしょう。たとえ、その意味は薄いとしても、銃後の人間はやらずにはいられないものなのです。これは戦争の悪循環の好例なのです。