military.comによると、あるテロ事件が妙な方向に発展しているようです。国務省の車列の近くでIEDが爆発し、それに続いて起こった銃撃戦で、車列を警護していた民間軍事会社ブラックウォーター社の警備員がイラク国民8人を殺害し、13人を負傷させました。これについて、イラク政府はBW社を起訴すると主張したのです。これまでも民間軍事会社の警備員が事件を起こすことはありましたが、イラク政府が起訴を口にしたのは、これが最初です。
事件はバグダッドのマンソア地区(Mansour)のニソア街(Nisoor Square )の近くで起こりました。まず、車列が銃撃を受け、それからIEDが爆発し、銃撃戦になりました。国務省の職員に被害はありませんでしたが、周囲にいたイラク国民が死傷したです。イラク政府は事件に関与したBW社のライセンスを、アメリカにも相談せずに剥奪し、彼らがイラク国内で活動できないようにしましたが、さらに彼らを起訴すると主張しています。しかし、記事はライセンスの剥奪は取り消される可能性が高く、BW社を起訴することは法的にはできそうにありません。占領軍の職員はイラクの司法による訴追を免除されていますが、内務省報道官アブデュールカリム・カラフは、民間軍事会社はその中に含まれないと主張しています。しかし、この見解は一般的な解釈ではなく、起訴はアメリカの圧力により多分実現しないでしょう。
銃撃戦の内容がよく分からないのですが、おそらく、イラク政府から見ると、警備員が無差別に近くにいたイラク人を殺傷したと思える状況なのでしょう。こうした事件はいつ起きてもおかしくない状態にあります。自分たちを警護しているBW社を起訴すると言ったのは、よほど腹に据えかねるところがあったのだと考えられます。この事件は、アメリカとイラクの関係がうまく行っていない証拠でもあります。