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憲兵隊員が国防総省を告訴

2007.9.20



 military.comによると、米陸軍で宗教上の問題で訴訟が発生しました。上官が宗教に関する会合を妨害したとして、兵士がロバート・ゲーツ国防長官と兵士の上官のポール・ウェルボーン少佐を告訴しました。

 第97憲兵隊大隊に所属するジェレミー・ホール技術兵は、無神論者と非キリスト教徒の会合を行うために、イラクにある彼がいる基地の周りにビラを配る許可を受けました。ホールが会合を招集しようとした時、ウェルボーンがホールを軍法に問い、彼の再志願を阻止すると脅して、介入しました。「軍隊の宗教の自由財団(the Military Religious Freedom Foundation)」はホールの訴訟を支援しています。この種の問題は実は多く、同財団の代表者マイキー・ウェインスタインによると、2005年に団体を創設して以来、6,000件の相談があったということです。その多くは、上官からの信仰の押しつけを心配するクリスチャンです。記事には、他に4人の将官を含む7人の陸空軍の将校が、クリスチャン団体の資金集めビデオを手伝った件で倫理規定に違反して処罰に直面していることも書かれています。これらの将校は、制服を着用し、公的な立場で、場所の特定が可能な国防総省の敷地内でインタビューに応じ、それについて上官の許可を受けていなかったということです。

 この種の事件はあるのだろうとは考えられるものの、なかなか表沙汰になることがないため、実態が明らかではありません。今回の報道で予想以上に多い実態が分かりました。米軍はキリスト教の影響を強く受ける文化の中にあります。基本的に宗教の自由は、軍の運営に支障がない限りは認められることになっていますが、実際には色々な問題がありそうです。特に、軍隊はお互いに命を預け合っているため、命令が最優先されます。しかし、そのために私的な部分でも命令服従が行われることがあります。人間は条件反射に支配されやすいもので、任務中での行動は私生活でも繰り返されるものです。このため、パワーハラスメントが起こりやすいのです。それにしても、2年間で6,000件の相談件数は多いですね。また、自衛隊ではどのような問題があるのかも気になるところです。

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