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ビンラディンが新たな戦いを宣言か

2007.9.20



 アメリカ政府がイラクの治安が向上していると言おうが、日本政府が洋上補給の成果を強調しようが、テロは徐々に不気味な拡大を続けています。military.comによると、オサマ・ビンラディンが、まもなくパキスタンのムシャラフ大統領に対して聖戦を宣言します。

 ビンラディンの副官アイマン・アル・ザワヒリのビデオメッセージの中で、ビンラディンの新しいメッセージの予告が行われました。このビデオでは、イラクやアフガニスタン、その他の地域でアメリカが敗退していると述べ、アフガニスタン、北アフリカ、スーダンのダルフール地方でのさらなる戦いを宣言しました。さらに、イスラム教過激派のウェブサイトに掲載されたバナーには、「まもなく、神の思し召しは指導者オサマ・ビンラディンから聖戦をもたらす。神は彼をお守りになる。直ちに、アルカイダはオサマ・ビンラディンの言葉を借りて、専制君主ペルベズ・ムシャラフと背信の軍隊に対して宣戦する。」と書かれていました。

 ザワヒリは7月にイスラマバードのモスクに対してイラク政府が行った急襲を非難し、ムシャラフの軍隊を「ブッシュの十字架に従う猟犬」と決めつけました。さらに北アフリカにあるフランスとスペインの利権、ダルフールに派遣されている国連とアフリカ連合の平和維持軍を攻撃するよう指示しています。ソマリアだけに見えたアルカイダの拡大が、一気に北アフリカとスーダン、パキスタンに拡大しそうです。

 これで、日本政府が洋上給油の重要性を説くのがいかに馬鹿げているかが分かります。アフガニスタンの沖合を警備したところで、テロの拡大は止められません。日本政府はそうしなければ、テロが拡大し、湾岸戦争の時にそうだったように、日本は国際社会から批判され、孤立すると説いています。しかし、こんな話を信じても、期待通りになることはないでしょう。その間に、アルカイダは貧困地域にシンパを増やし、行動を始めるからです。ムシャラフ大統領が暗殺される可能性は徐々に高まっているように思えます。そうなれば、パキスタンはどうなるか。インドはどうなるか。やはり、世界に蔓延している格差をどうにかするしか根本的な解決の手はありません。ブッシュ大統領も、次期大統領候補たちも、そのことには気がついていないようです。

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