昨日から今日にかけて、気になるニュースがいくつも出ています。military.comによると、イランの革命防衛隊の将校がイラク国内で逮捕されました。
逮捕されたのは、革命防衛隊の特殊部隊クッズフォースの隊員で、クルド人の街スラマニヤ(Sulaimaniyah)のホテルで拘束されました。他に2人のイラン人が逮捕されましたが、後に釈放されました。 クルド人当局者によれば、この2人の1人はイラク国境に近いカスル・シリン市(Qasr-e Shirin)の市長、もうひとりは北部イラクを旅するイラン人商人に許可を出す事務所の所長と商人です。クルド愛国同盟によれば、拘束されているのは事務所長だということです。容疑者には、EFPを含むIEDの密輸入、外国人戦士のイラクへの侵入と訓練に関与した疑いがかけられています。米軍は地域のクルド人政府に通告することなく、逮捕を実施しました。クッズフォースの隊員は事務所長の姿を借りて行動していたようです。
アメリカは次に、この逮捕の正当性を主張するために、容疑者に関する情報をできるだけ出してくるでしょう。それによって、国際社会にイランのイラクへの介入を認識させるのです。
なお、イラクへの治安権限の移譲がさらに遅れる見込みだと、同紙が報じています。米国防総省が議会に提出した報告書によると、全18州の治安権限をイラク政府に譲渡する時期が再び遅れることになりました。早ければ7月としていた期日は8ヶ月遅れる見込みです。現在、イラクが治安権限を持つのは7州だけです。北部イラクを統括するベンジャミン・ミクソン少将は、8月にニナーワー州の権限移譲を口にしていましたが、11月に延期されました。8ヶ月で全州の治安権限を移譲できるという根拠はよく分かりません。半分以上の地域が不安定な状態なのに、8ヶ月で沈静化するとは考えにくいものがあります。また、近すぎず遠すぎない未来に変化を設定する国防総省の言い訳が行われたと見るべきです。