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ブラックウォーター社が武器密輸に関与か

2007.9.23



 日曜日ですが、重要な報道があったので更新することにしました。military.comによれば、アメリカにあるブラックウォーター社の社員が、イラクに武器を密輸入してブラックマーケットで売り、それらがテロ組織に渡った可能性があり、連邦検察官が国防省と国務省の協力の下で捜査をしているとのことです。

 BW社はノースカロライナ州のモヨック(Moyock)に本拠を置いています。同州の連邦検事ジョージ・ホールディング、国務省と国防総省の報道官も取材には応じませんでしたが、匿名を条件にコメントした高官は、まだ事件は早い段階にあるとしながらも、バグダッドでBW社の社員がイラク人11人を殺害した事件によって、本件が強調されたと語りました。高官は、何人の社員が起訴されるのか、あるいは会社そのものが起訴されるのかは分からないとしています。

 The News & Observer of Raleigh紙によれば、2人の元BW社員、ケネス・ウェイン・キャッシュウェル(Kenneth Wayne Cashwell)とウィリアム・エルスワース・グリュミオー(William Ellsworth "Max" Grumiaux)が捜査に協力していると報じています。この2人は、盗まれた銃器を州外や外国に輸送し、同様の別件を幇助したことを2007年早くに認めています。彼らは、最高で禁固10年と250,000ドルの罰金を軽減するため、これから発生するどんな司法手続きにおいても証言することを条件に司法取引をしています。

 同紙は、氏名を明かさない情報源によると、BW社が自動銃と軍用品を無許可でイラクに輸出していたかは調査中としていますが、AP通信はこの情報を確認していません。

 この事件は、先日から報じられている、イラク軍に供与した武器がトルコで発見された事件に関係していたようです。クルド労働者党、クルド愛国同盟から回収された武器に、アメリカ製が混じっていた事件で、トルコはすでに銃器番号をアメリカに通告しており、FBI捜査官がトルコに入って調査をしています。BW社員がクルド人組織に武器が渡ると知りながら、販売したのかは分かっていません。

 military.comによれば、タイミングよく、コンドリーザ・ライス国務長官が、米大使の警護のやり方を再評価するよう命じています。この命令は、現在行われている調査とは直接の関係はありませんが、事件を際立たせる役目は果たしそうです。

 この事件は大スキャンダルに発展するでしょう。民間軍事会社がいかに好き勝手にやっているかということが、この事件ですべて明らかになります。それにしても、今年早くに事件の一部が露見していながら、まだ逮捕に到達しないとは、仕事が遅すぎるという感じがします。無関係な銃撃事件をきっかけに報道されるということは、マスコミもかなりのことを知っていながら、報じるタイミングを計っていたと推測できます。ということは、証拠がまだ不十分なのかも知れません。この事件、何が皮肉かといって、アメリカがテロ組織に指定している組織へ、米政府が契約している民間軍事会社が武器を売っていたことです。マッチ・ポンプもいいところで、アメリカ国民は憤激することでしょう。これから、この種の事件はさらに発覚が続くはずです。これだけ大きな戦争で、あめりかがすべて清廉潔白ということはあり得ません。

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