これもテロ戦争の影響なのかと思える変化が米陸軍で起きています。military.comによれば、すべての兵士を戦闘救命士にする訓練を始めました。
戦闘救命士は衛生兵とは違い、戦闘を任務としながら、負傷した兵士に応急手当を行う者のことで、米軍戦闘部隊の兵士の20%は、この資格を持っています。止血、心肺機能蘇生などの措置を行い、衛生兵が来るまでに怪我が悪化しないように保つ任務を負っています。このため、従来の新兵の基礎訓練に7時間半の戦闘救命訓練(Combat Lifesaving Training)が追加され、卒業の必須条件となったのです。これにより、戦友が衛生兵を叫んでいる間に兵士が死んでしまうことが減るわけです。
IEDや待ち伏せ攻撃を連日受ける環境下で、負傷後に的確な処置をすれば助かったと考えられる事例が増え、こうした制度が設けられるようになったようです。記事には、フォート・ジャクソンの副司令のケビン・シェド大佐の言葉が引用されています。「過去に派遣された兵士、最近派遣された兵士は私たちに「最初の10分間は負傷した兵士が死なないようにするために最も重要です」と言います」。IEDは大きな血管を切断し、急速な大量出血を起こします。これがパトロール中に起こると、衛生兵の手当が間に合わない場合があります。戦闘救命士が同じ車両に乗っていないとか、戦闘救命士も同時に負傷した場合、誰も手当を行えません。全員が技能を持っていれば、誰かが手当をできる可能性があります。