onlineで定期購読の申し込み!

代表的ニュース週刊誌
Time(英語版)

総合的国際情報誌
フォーサイト

歴史ファンなら…
歴史街道

航空自衛隊なら
Jウイング

海上自衛隊なら
Jシップス

陸戦用車両なら
PANZER

サンドバル技術兵の裁判始まる

2007.9.27



 先日報じられた狙撃事件で起訴された最後の被告の裁判が始まり、事件の概要が分かってきました。military.comによると、ジョージ・サンドバル・Jr技術兵(Spec. Jorge Sandoval Jr.)は複数のイラク人を殺害し、その死体に武器を置いた件で起訴されましたが、無罪を主張しています。

 サンドバル技術兵は囮で標的を集めるのではなく、殺害した後に武器を置いて被害者が武装勢力のように擬装した件により、計画的な殺人で立件されました。彼が囮を使った狙撃を一度もしなかったかどうかは、記事には書かれていません。殺害に計画性がある場合は米軍の統一軍規法典では死刑か終身刑が最高刑です。今回の事件では最初から最高で終身刑と決められたようです。この辺の事情を知りたいところですが、記事には何も書かれていません。

 事件は今年4月と6月に、バグダッドから30マイル南のイスカンダリヤ(Iskandariyah)で起こりました。事件が発覚したのは、同僚の訴えによるものであったようです。「fellow Soldiers」と書かれていることから、同じ部隊の複数の兵士であることが想像されますが、一連の事件で彼らの上官らしい大尉が証言していることから、上官の命令に反発した者たちが訴えたのかも知れません。気になるのは3人の被告の所属部隊です。被告は、アラスカ州フォート・リチャードソンの第25歩兵師団第4旅団(空挺)第501歩兵連隊第1大隊の司令部と司令部中隊の一員です。ここから、司令部の要員が狙撃任務につくことがあるのかという疑問が当然出てくるのです。告発したのが同僚なら、司令部の要員が告発したことになります。たとえば、彼らが非番の時に面白半分で狙撃を行ったのなら明かな犯罪ですが、それなら上官が彼らを庇う証言をすることの説明がつきません。この事件を評価するには、もっと情報が必要です。

Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.