military.comが、9月1日にファルージャからイラク軍がすべて撤退したと報じました。
イラク軍の第1師団第2旅団の一番最後まで残っていた大隊がファルージャを後にしました。イラク警察が自力で治安を維持できる状態になったためです。旅団指揮官のアリ・ハシェミ准将は、「イラク警察が単独で法の執行を行える時が来た」と述べました。
で、撤退したイラク軍がどこへ行ったのかというと、アンバル州の北部にある基地だと言うことです。そこにいる米海兵隊と配置を交替するのです。そこで、幹線道路や地方を警戒し、武装勢力がファルージャのような人口密集地にアクセスするのを防ぐのです。
どうも嫌な感触があります。これは今月の議会報告のためのデモンストレーションのような気がします。確かに、ファルージャでは4月に4人が戦死した後、米軍からは一人も死者が出ていません。しかし、ファルージャに近いバグダッドでは8月に少なくとも36人が戦死しています。これで治安が回復したと言えるのか、非常に疑問です。
イラク軍の移転先の正確な位置は分かりませんが、ユーフラテス川沿いの街のどれかなのは間違いがないでしょう。ここには国境沿いの街カイムを経由してシリアから侵入してくる武装勢力の通り道があるはずです。そこで警戒しながら、何かあったらすぐにファルージャに駆けつけられるような態勢をとっているように思えます。近いうちに、またファルージャに部隊が戻ってくる可能性を考えます。今後、それを示す情報があったら掲載します。