military.comによれば、イラク軍を調査する委員会の責任者ジェームズ・ジョーンズ海兵隊退役大将が議会で証言する前にAP通信にメモを公開しました。それによれば、イラク軍は今後18ヶ月間にわたりイラクを統制することはできないということです。
メモは、適切な補給システムが完成するには2年間かかると述べています。さらに、イラク警察部隊はもっと状況が悪いと指摘します。イラク警察部隊には市民軍の潜入が激しいため、解体して完全に作り直すべきだと勧告しています。イラク軍の建設のために、米軍はすでに192億ドルを使い、来年55億ドルを注ぎ込む予定です。国防省の管轄であるイラク軍は152,000人の隊員を、内務省の管轄である警察官や国境警備隊は194,000人の隊員を擁しています。
国防総省の高官は、イラク警察が解体されるべきだとは信じないものの、イラク軍にしばしの時間がかかることは認めました。ジェフ・モレル国防省報道官は、イラク軍の建設は長期のプログラムだと主張します。しかし、日本で警察予備隊が作られた2年後には保安隊に昇格し、さらに2年後に自衛隊になったことを考えると、イラク軍の状況は異常と言って差し支えありません。イラク軍は2004年7月に設立され、すでに3年間経っているのに、この状況なのです。今年当初の話では、イラク軍は年末までに治安権限を移譲されるということでした。現状はそれどころではありません。これまでも権限移譲の話は何度も繰り返されては立ち消えになることが繰り返されてきました。
すでに下院議会では、共和党員が増派を延長べきだとナンシー・ペロシ議長に要請しています。まもなく行われる議会報告を受けて、増派部隊の派遣期間が延長され、来年3〜4月まで駐留するのはほぼ確実と言ってよいでしょう。またしても、米軍は撤退のチャンスを逃すことになります。