昨日のペトラエス大将のイラク政策に関する記事に関して追加します。ペトラエス大将は、来年1月に1個旅団の撤退が可能だと発言していることを書き忘れました。同時に、大将は緩やかな撤退についても言及しています。
しかし、ただちに撤退できるのは1個旅団で、残りも増派があらかじめ計画されていた分の撤退では、実質的に治安の向上は認められないと言って差し支えないと思います。要は現状維持みたいなもので、あとは政治の方で決断してくれと言っている感じがします。これについて朝日新聞は、大将が「一部兵力は、補充なしで撤退できる」と述べたと書いていますが、微妙に誤解を招く訳だと思います。これでは実質的な撤退が始まるようにも思えますが、原文は「Based on the progress our forces are achieving, I expect to be able to recommend that some of our forces will be redeployed without replacement,(原文のまま)」です。要するに、これ以上の増派(replacement)は必要がないと言っているだけで、派遣(redeploy)自体は継続すると言う意味と解釈すべきでしょう。先に述べたように、もともと増派した分は派遣期間が切れると共に退却することが決まっていました。これでは軍が大きく撤退に向けて舵を切ったとは言えません。ブッシュ大統領は全面的に判断を軍に投げているのに、ペトラエス大将はそれを利用してよい結果に向けようとは考えていません。そこが問題だと思うのです。