military.comによれば、F-15の墜落事故に関する空軍の調査は、欠陥のある金属製ビームの亀裂が、空中分解を起こしたと結論しました。調査によると、事故の原因は製造者の仕様書を満たしていない「右上ロンゲロン(upper right longeron)」と呼ばれる部品が引き起こしました。
ジョン・コーレイ空軍大将(Gen. John Corley)は、「11月2日に、私の世界はまったく変わりました。それは破滅的な方法の中で変わったのです」と、事故については「システマティックなものです」と述べました。調査の結果、改修方法が決定されるわけですが、それはまだ確定していません。ボーイング社の責任であるのはほぼ間違いないのですが、空軍はまだ結論を公表していません。しかし、改修費用は一機あたり約500,000ドル(約54,745,000円)にのぼる可能性があるとみられています。現在のところ、163機に問題が見つかっているので、改修にはざっと90億円程度がかかる見込みとなります。航空自衛隊のF-15には今のところ問題は見つかっていませんが、今後もF-15を使い続けていく上で、改修せずに使っても大丈夫なのかという問題がありますし、できるだけ早くに主力戦闘機を更新するという話になっていくでしょう。すると、また機種や取扱商社の選定にからむ黒い噂が飛び交うことになります。
前から指摘しているように、今回のF-15の問題は構造的なものです。「the manufacturer's specifications」とよばれる仕様書は軍需産業にとって、唯一のよりどころです。軍は仕様書さえ満たしていれば、議会を納得させ、兵器を購入してくれます。だから、仕様書を満たすように設計することが軍需産業の第一の目標になるわけですが、それに失敗していたわけです。当時の設計者は計算で問題を見つけ出すことができなかったのです。彼らはすでに現場にいないでしょうから、現代の設計技師が問題を再検証することになります。このようにハイテク兵器には潜在的な問題がつきものです。常に絶対に大丈夫などとは思わないことが肝心です。