military.comが、武装勢力(タリバンのようです)からの脅迫を受けたあとで大勢のパキスタン兵がアフガニスタンとの国境付近の南ワジリスタン(South Waziristan)サクリアトイ(Saklatoi)の前哨基地から逃げだしたという信じがたい話を報じました。
しかし、この情報自体が武装勢力側から出たもので、パキスタン軍は否定しています。武装勢力側によると、脅迫は基地を明け渡さないと攻撃するという内容で、500人が基地を包囲したところ、兵は降伏し、武装勢力はイスラム教の精神によって兵を解放したということです。
今週火曜日に武装勢力が近くにあるサラロガ要塞(Sararogha Fort)を攻撃し、少なくとも7人を殺害し、少なくとも15人が行方不明になっています。このために、パキスタン兵は武装勢力を恐れたという見方がなされています。にわかには信じがたいのですが、匿名の住民の証言も書かれていますが、これは要塞の近くを通った人から聞いた話であり、伝聞情報の類です。ちょっとあてにはなりません。
これが本当なら、ムシャラフ大統領は許さないでしょう。彼は非常に勝ちにこだわる性格だと聞いています。今回の事件は、タリバンが国境付近への侵出を強めていることを示しています。当然、その後ろにはアルカイダがいます。ということは、アルカイダがパキスタンに攻撃の矛先を向けるよう戦略を転換した可能性があります。いよいよ分からなくなってきました。イラクでテロ攻撃が減ったのには、マハディ軍の休戦もありますが、アルカイダが行き詰まった兆候も見えています。そこで、パキスタンに狙いを変えたのかも知れません。すると、今後はアフガンとパキスタンが戦いの中心になると見るべきなのかも知れません。そうだとすれば、対テロ戦争の様相は一変します。これがかねてより恐れていたテロの拡大です。
ところで、パキスタンでは過去3ヶ月の間に、20回の自爆攻撃があり、400人が殺害されているという情報も、この記事に載っています。日本政府はこの辺の情報もちゃんと把握しているのでしょうか。