ボーイング社がハンヴィーに搭載したレーザー兵器で不発弾やIEDを破壊する方法を実験中と、military.comが報じました。
ハンヴィーに搭載した1キロワットのレーザー光線は、直径数センチで電気式コンロの20倍も高熱を発し、砲弾の外層を突き破り、穴を空けられます。砲弾の中にレーザー光線が飛び込めば、当然、その中にある火薬が爆発することになります。記事には長距離レーザーとしか書かれておらず、射程の長さまでは明記していません。
安全な距離から、簡単な方法で爆弾を無力化する方法が検討されていることが分かる記事です。在りかが分かっている不発弾はともかく、地中に隠されているIEDは照準のしようがありません。先日の記事で紹介した、無人偵察機の情報からIEDの位置を探知するシステムが実用化されても、地中に埋まったIEDに直接レーザー光線を浴びせることはできません。その辺の情報は記述がありません。とにかく、爆破する手段だけは開発が進んでいるということです。
レーザー兵器の実用化が進んでいます。飛んできた砲弾を撃ち落とすシステムは実用化されていますし、効果は疑問ながらエアボーン・レーザーの開発が進められています。しかし、一番効果的なのは対空兵器として使用することだと考えます。地上部隊支援のために空爆を行う航空機を狙えば、航空支援は中止せざるを得ません。地対空ミサイルならパイロットにも対応策がありますが、レーザー光線だと気がついた時には命中しているわけで、大きな脅威となります。戦場にレーザー兵器ありと分かった段階で、航空支援は諦めないといけなくなります。敵は、航空機のステルス化でレーザーの照準を不可能にするか、機体に鏡面反射の能力を持たせてレーザー光線の無力化を考えるしかなくなるでしょう。
レーザー兵器は従来の戦場を一変させるほどの潜在力を持っています。今後の展開には注意が必要です。