military.comによると、パキスタンの部族民が、アフガニスタン国境付近にいるアルカイダとタリバンに対して、軍隊を育成しています。しかし、アナリストはその有効性を疑っています。
日曜日には、バジョール(Bajur)で、2人の部族民が陸軍が支援した掃討作戦で死亡しました。武装ヘリコプターが武装勢力の地下壕を攻撃し、少なくとも10人を殺害しました。別の戦いで武装勢力が15人以上死亡しました。10月10日、自爆犯が軍隊を形成するために集まった部族民50人以上を殺害しました。政府派の部族民8人が最近、斬首されました。政府は民兵組織「ラシュカー(lashkar)」を結成することで、この地域のテロ組織に対抗しています。ラシュカーを組織する少なくとも5つの部族の内で最大のサラザイ族(Salarzai tribe)の指導者マリク・ムハマンド・ハビブ(Malik Mohmmand Habib)は、配下は15,000人だと主張します。似たような数字が他の組織の指導者からも出ています。
しかし、アナリストは、彼らが実態を50%大きく主張していると考えます。ラシュカーは組織力が弱く、武器は老朽化しています。パキスタン政府は民兵組織に資金を供給していると認めていませんが、アナリストたちは金が渡されていると疑っています。どれだけのラシュカーが活動しているのかは不透明です。彼らは軍隊とパトロールする時に写真に撮影され、いくつかの戦いに参加したと報告されていますが、彼らの主な任務は、軍が武装勢力を掃討した地域を維持することのようです。
パキスタン人の安全保障問題のアナリスト、シュヤ・ナワズ(Shuja Nawaz)は、部族民は武装勢力の存在が気に入らないから立ち上がったけども、政府は成功を確固としたものにするために、早く道路や学校を建設したり、開発計画に着手しなければならないといいます。ナワズは、それはイギリスの植民地時代に部族民に対して行われたことで、歴史的にこうした取引が失敗してきたと主張します。なお、パキスタン軍は8月に掃討作戦に着手して以来、1,000人以上の武装勢力を殺害したと主張しています。
どうも、なにもかもが疑わしい話です。資金が政府からラシュカーに渡っていないにせよ、道路建設などの利益誘導が行われるのが常道なのです。地元の民兵組織が本当にタリバンとアルカイダに対抗したら、イラクのアンバル州で起きたような動きが期待できます。しかし、この報道を見る限りでは、何も期待できそうにありません。パキスタン軍が殺害した武装勢力の数も不正確な可能性があります。米軍が依然として無人攻撃機で空爆を続けていることは、継続的に報じられています。アメリカとパキスタンの信頼関係も崩壊しかけています。