テロ容疑者5人の起訴が取り下げに

2008.10.22



 military.comによると、米国防総省はグアンタナモに収容している5人のテロ容疑者の起訴を取り下げました。しかし、全員が釈放されず、起訴は復活することもあります。

 起訴が却下された理由を米軍は、証拠が一層精密に分析されているためとしています。しかし、起訴を取り下げることで軍法委員会法が定める起訴の期限を避けることができると記事に書かれていることから、これが本当の目的と見るべきです。米国自由人権協会(The American Civil Liberties Union)は、こうした軍のやり方を批判しています。起訴が取り下げられた抑留者は以下のとおりです。なお、ジョン・マケインとバラック・オバマは両方とも、グアンタナモ収容所は閉鎖すべきだと主張しています。

  • モハメッド(Mohamed)
  • ノア・ウスマン・ムハメッド(Noor Uthman Muhammed)
  • スフィアム・バホウミ(Sufyiam Barhoumi)
  • ガシャーン・アブドゥラ・アルシャラビ(Ghassan Abdullah al Sharbi)
  • ジャブラン・サイド・ビン・アルクァタニ(Jabran Said Bin al Qahtani)

 要するに、起訴したら法が定める期間内に裁判を始めなければならないので、さらに拘留するために起訴を取り下げたという話です。この記事も、抑留者がどんな理由で起訴されたのかを書いておらず、アメリカの人権意識がこのレベルまで落ちていることを感じずにはいられません。アメリカ人が海外で逮捕された場合は、こんな報道では済ませないはずです。


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