アフガンで人質救出作戦が成功

2008.10.23



 military.comによれば、先週、米特殊部隊が、8月中旬に武装勢力に誘拐された陸軍工兵隊(the Army Corps of Engineers)に勤務する民間人を救出しました。カブールの西30マイルに監禁されていた人質は、夜間に行われた作戦で救出され、武装勢力数名が殺害されました。人質たちは政府が出資したインフラ計画に参加していました。

 陸軍工兵隊は、いわゆる工兵部隊ではなく、軍人と民間人から構成される組織で、国内の治水事業など、大規模なインフラ整備や研究開発に携わっています。海外でも活動し、戦争が終わったあとで占領地を整備することもあります。米軍が行くところ陸軍工兵隊ありで、そこには大規模な事業がくっついています。

 それから、military.comによると、多国籍軍の空爆がアフガンの検問所を直撃し、9人の兵士が死亡し、3人が負傷しました。場所は米軍とアフガン軍が1週間にわたって作戦を行った、アフガン東部カースト州(Khost province)のセイド・キール(Sayed Kheil)です。誤爆が起きた原因は双方が認識を誤ったためとみわれていますが、あまり詳しくは書かれていません。多国籍軍の隊列が軍事作戦から戻る最中に、複数の戦闘が起こり、その結果死傷者が出たと説明されているだけです。今後、さらに詳しい調査が行われるのでしょう。2007年6月に同種の事件が起きていると、記事は書いています。アフガンでは今年5,200人以上(武装勢力を含む)が、武装勢力が関係する暴力事件で死亡しています。

 双方の認識の誤りが原因なら、検問所のアフガン兵が多国籍軍を敵と誤認したので、多国籍軍側が空爆させたのが、事件の原因ではないかと想像します。2007年6月の例でも、同じ理由で誤爆が起こりました。なかなか誤爆は根絶できません。これを解決するにはハイテク機器を使った対策が必要だと思えます。米軍の戦車では、すでに敵味方識別の対策が完了していますが、検問所などには使えない方法なので、新しい対策が必要です。


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