military.comによると、ファイナ号を乗っ取っている海賊が、身代金を2000万ドルから800万ドルへ値引きしました。
800万ドルを支払ってもらえれば、船は1時間で解放する、と海賊のジャマ・アデンが代わって答えました。前回電話に出たスグル・アリは休息中のため、電話に出られませんでした。ソマリア政府はすでに外国軍が船を解放するために武力を行使する許可を出しています。
前回書いたように、海賊は外部から補給を受けており、食糧や麻薬成分を持つ葉「カート」を小型船から受け取っています。カートを噛むと攻撃性が強まるといわれています。なお、死亡したとされる船員はやはり船長で、2週間近く前に心臓の状態が原因で亡くなったということです。
過去の事例からすると、ロシア政府が身代金の減額に応じるとは考えられません。事件の再発を防ぐために、人質に危険があっても強行突入するのがロシア式です。だから、800万ドルへの減額には大した意味はありません。しかし、海賊側に妥協の姿勢が見えたのは前進です。この段階で様子を見て、ロシアが応じないなら船を解放するという選択肢がありそうです。しかし、まだ状況は読めません。事件の焦点は、海賊が突入前に船を開放するかどうかです。