爆撃されたシリア核施設の真相は?

2008.11.21



 去年、イスラエルが空幕で破壊したとされるシリアのアル・カイバー原子炉(Al-Kibar・kmzファイル)について、IAEAが本当に原子炉であったかどうか明言できないと述べていると、space-war.comが報じました。

 IAEAは、この施設が原子力以外の目的のために作られたことが除外できない一方で、冷却水をくみ上げる能力は核施設に使われるものに酷似していると述べています。また、ごく微量のウラニウムがサンプルから検出されました。量が微量だったため、その詳細までは分析できませんでした。シリアは、ウラニウムがイスラエルのミサイルの残余物だと主張しています。

 時間がないので簡単にコメントしますが、おそらく、この施設は核施設と考えてよいと思います。やはり、建物全体の構造が北朝鮮の核施に似ているという当初からの見解が正しいように思われるからです。シリアが言うように、ミサイルが空爆に使われたかどうかは分かりませんが、ミサイルにウラニウムを搭載して、爆撃した場所が核施設に見せかけるのは、理論的には可能ですが、馬鹿げたアイデアに思えます。ミサイルは見当違いの方向に飛んでいくこともあり、誤爆地点を調べたらウラニウムが検出されたら、工作が発覚するかも知れないからです。


Copyright 2006 Akishige Tanaka all rights reserved.