イラク議会が米・イ安保協定を承認

2008.11.29



 27日、イラク議会がアメリカとの安保協定を承認し、これをもって来年以降の駐留が合法的になりました。military.comが協定の重要な条項を選んで掲載しました。

 イラク問題を考える上で、参考にすることができる情報です。これだけ詳しく協定の中身を報じる国内メディアはなく、日本国民は海外の情勢から取り残されがちです。これを見ると、イラクが随分と粘ったという印象があります。

第4条 イラクで行われるすべての軍事作戦は、イラク政府の合意のもとに実行され、アメリカとイラクの合同委員会を通じてイラク当局と「完全に協調」されるべきである。しかしながら、米国とイラクの軍隊は国際法の定義により、「イラク内で合法的に自衛」する権利を有する。

第12条 イラクは、合意した施設の外、任務外にいる米兵と協力関係にある民間人に対して、「深刻な計画的な重罪」について起訴権を持つ。彼らは逮捕されるが、捜査と裁判の期間中は米軍の保護に渡されなければならず、米軍は起訴された犯罪を、当事者が「任務中」に行ったかどうかを確認する責任を負う。

かかる免責は、この合意がイラクに「司法権を行使する主要な権利」を与える者である民間の保安契約業者には拡大されない。

第15条 米軍は米兵や米国の保安請負業者が使用するために輸入するすべての物品のリストをイラク当局に提供しなければならない。

イラク当局は米軍に「彼らがいる場所で、中身を確認するために、そうした物品が輸入されたコンテナすべてを開ける」よう要請する権利を持つ。しかし、イラクは米軍兵士の「保安上の必要を尊重」しなければならず、もし要請があれば米軍施設内で確認を行わなければならない。

これは個人によって輸入された小包、米国の郵便には拡大されず、「電子的な観察を適用できる非公式のメールを除き、イラク政府による調査、捜索、没収から免除」される。

第22条 米軍は、イラクの許可なしに、それ自身の兵士と協力関係にある民間人を除いて誰も抑留できず、すべての抑留者は抑留から24時間以内にイラク当局に引き渡されなければならない。

この合意が発効した後、米軍はイラク国内の抑留者のすべての情報をイラクに引き継ぐ。その後、イラクの裁判官は犯罪の嫌疑をかけた人たちに逮捕状を発行し、彼らはイラクの保護に移される。その他すべての抑留者は、イラク政府が求めないかぎり、安全かつ規則正しい方法で解放される。

この合意はイラク当局に、手配された特定の個人を逮捕または抑留することにおいて、米国に「援助を要請」することを認める。

米軍は、戦闘状態にある除いて、イラクの捜査令状とイラク政府との「完全な協調」なしに、家屋やその他の「不動産」を捜索できない。

第24条 すべての冷え軍は2011年12月31日よりもあとにイラクから撤退してはならない。この協定自体もまたその日の終わりをもって失効する。

すべての米国の戦闘部隊は、イラク保安部隊が「すべての治安責任を負う」とみなされた「イラクの市、村、地方」から撤退するが、2009年6月30日を越えてはならない。

イラクはいつでもすべての米軍に撤退を要請でき、米国はいつでも一方的に兵士を撤退させられる。

第26条 イラクの財政に関して、この合意は、協定は資金がイラクに対して訴訟を起こすすべての者に授与されるのを阻止する米国大統領命令によるイラク開発基金に与えられた保障を承認する。この合意は、保障の継続に関して、米国がイラク政府と「完全で積極的な関わり合いを維持する」ものとする。

米国はまた、イラクが石油と天然ガスの収益のために与えられた国連安全保障理事会の延長を保証するのを援助することにも責任を持つ。

第27条 イラクの領土、領海、領空は他の国家を攻撃するために発射台あるいは中継点として利用してはならない。

第30条 この合意は3年間有効であるが、何れの当事者による1年間の書面による事前通告をもって打ち切ることができる。

この合意は、「書面による、両国で有効な憲法上の手続きに従い、両当事国の公式の合意によってのみ改正できる。



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