military.comによると、イギリス、スコットランドの科学者は戦闘と兵士の知能の関係を研究し、高い知性は戦闘での生き残りに大きなアドバンテージを及ぼさないと結論しました。
エジンバラ大学で歴史と心理学の専門家によって行われた研究は、第2時世界大戦中に戦闘で死亡したスコットランド兵の知能は、生き残った兵士の知能よりも高いことを見出しました。11歳に知能テストを受け、戦死した491人のスコットランド兵の内、96%にあたる470人の平均知能指数は100.8で、同じテストを受けた数千人の生存者の平均値脳指数は97.4でした。研究を主導した精神衛星の専門家、イアン・ディアリー教授(Professor Ian Deary)は、この現象が過去の戦いに比較して、筋力よりも頭脳で戦われた第2時世界大戦の性質に起因するかも知れないと述べています。戦争がより専門的になった結果、多くの専門家が前線で必要になったわけです。専門家はこの研究が海軍と空軍にも拡げられるべきだと主張しています。海軍と空軍にはより多くの専門家が存在するためでしょう。調査は1921年に生まれた子供が1932年に受けた知能テストの結果と、英陸軍の個人記録に基づいています。知能テストは、空間認識、数学、言語推論の能力を測るように意図されており、過去の研究は子供期の知能指数がその後の知性を正確に反映することを明らかにしています。また、研究者は階級の低い兵士は戦死者の60%を占め、彼らの子供期の平均知能指数は95.3でした。将校と下士官は全体の7%を占め、戦死率は20%でした。戦死した将校の平均知能指数は121.9で、下士官は106.7でした。
興味深い研究ですが、もう少し詳しい内容を知りたいと思いました。単に戦死した事実だけでなく、どのような状況で戦死したのかも調査したのかが気になります。陸軍の場合、砲兵隊など、前線に出ない部隊に知性の高い者が配属される傾向があります。彼らが戦死する可能性は非常に低いことから、この研究結果は最前線の傾向を表していると考えられますが、やはり具体的な内容を知りたいのです。知能指数の高い将校は積極的に指揮をとり、戦場で敵の標的となって戦死しやすいため、こうした結果が出た可能性があります。ディアリー教授が言うように、専門家が増えたのは近年の戦争の大きな特徴ですが、それだけが理由だとは考えにくいのです。また、この研究は重要なものですが、これに対する対策は特に思いつけないという点で、純粋に学究的な研究に留まりそうです。