自爆女性はダウン症候群か?

2008.2.2



 バグダッドの市場での爆弾事件について、military.comがかなり長文の記事を掲載しました。それによると、自爆した女性はどちらもダウン症候群だったとのことです。しかし、当局が証拠をどのようにつなぎ合わせたかなど、詳細はまだ明らかになっていません。

 最初の爆発は午前10時20分で、死者は少なくとも46人、負傷者は100人以上。二回目の爆発は午前10時40分で、死者27人、負傷者67人とされていましたが、現在では死者の総計は73人から91人へ増加していると記事には書かれています。しかし、米軍広報官は、最初の爆発の死者は7人、負傷者23人。二回目の爆発の死者は20人、負傷者30人と大幅に少なく発表しています。死傷者の数はごまかせないので、米軍は確認が取れた数だけを発表しているのでしょう。この数も今後増えることになると思われます。

 最初の現場で自爆した女性は、市場で「変わり者の女性」として知られている人物で、その朝、クリームを売っていたということです。二番目の現場の女性については記述がありません。記事は障害者を使った別の自爆テロを紹介しています。2005年1月、やはりダウン症候群の子供が投票日の自爆攻撃に利用されたと、イラク内務大臣が述べています。この手法に前例があったというのは、かなりのショックです。ダウン症候群は常染色体異常が原因で、治療方法がないといいます。しかし、症状は様々で、日常生活を送れる人もいます。現に、最初の現場の女性は商売をしていたわけで、こういう人を騙して爆弾ベストを着せることができるのかが気になります。遠隔操作で爆破したのかも、状況証拠からの推測なのか、起爆装置が見つかったのかも、公表されていないようです。この事件には、まだ謎の部分があります。

 事件があった市場はグリーンゾーンの近くにあります。今回の事件は、増派による治安回復の失敗をイラク国民に印象づけました。最近、イラク北部でテロ活動が活発化し、米軍に被害も出ています。ブッシュ政権がイラクの治安を回復したことを実績にして退陣できるかどうかは、まだ分かりません。

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