military.comによると、アルカイダが子供に軍事訓練を行っていることを米軍が公表しました。米軍が昨年12月、バグダッド北東にあるカーン・バニ・サード(Khan Bani Saad)にあるアルカイダの隠れ家から発見したビデオテープに、その模様が写っていたのです。(ビデオ映像は記事の末尾にあります)
ビデオテープには子供たちが誘拐や家屋を襲撃する訓練を行っている模様などが写っていました。子供は十歳くらいとみられます。銃やPRGを持ったり、自爆ベストを着用してポーズを取る子供たちも写っています。しかし、米軍もイラク政府も、こうした子供たちが何人いるのかは、まったく把握していません。米軍のジョージ・スミス少将(Rear Adm. Gregory Smith)は、こうしたビデオテープは子供たちを徴用するためのプロパガンダに使うために製作されたと考えています。イラク内務省の広報官は、人数は上げなかったものの、武装勢力は多くの子供を誘拐しており、ビデオテープは徴用だけでなく、活動資金にするための身代金を取るためにも使われると述べています。つまり、こういうビデオを公開してから子供を誘拐すれば、親たちはこぞって身代金を払って子供を取り戻そうとするというわけです。
ビデオを見る限り、少年たちの実力はそれほどではありませんが、あくまでも現段階では、の話です。こうした訓練はすぐに効果を発揮しだし、彼らが成長した時に威力を発揮します。米軍は高校を卒業したか、同等の資格を持つ者を数ヶ月で基礎訓練を施して、素人からプロの軍人へ育成します。もちろん、その後に専門教育が待っていますが、アルカイダが行っているのはそれほど高度な訓練ではありません。それでも、同年代のアメリカ人が受けられる陸軍幼年学校の教育よりは粗雑だけど実戦向けといえそうです。
こんな風に、若者を軍人にしようとすれば、十分に計画すれば割と普通にできてしまうという問題があります。小火器の使い方くらいなら、短期間の教育で何とかなります。アフリカで子供たちが戦争に駆り出されるのも、そういう理由があります。