military.comによれば、「陸軍に志願して、家を買おう」という新兵勧誘プログラムを米陸軍がテスト中です。
今月始まったこのプログラムでは、現役を5年間務めた兵士が、新居を購入するか新規ビジネスを立ち上げるために40,000ドルを受け取れます。予備役兵は同じ条件で20,000ドル。3〜4年間務めた兵士にはさらに減額された報酬を受け取れるという内容です。現在、アルバニー市、モントゴメリー市、クレバーランド市、シアトル市、サンフランシスコ市で試行されており、最高で9ヶ月行われます。これは陸軍の増員に対応するための方策です。
5百万円近い追加の報酬がもらえるというのは、非常に大きな特典だと言えます。日本でこんな形で自衛官の勧誘を行うことは、恐らくは国民感情が許さないでしょう。住宅に関して、自衛官には購入費用の貸し付けがあるくらいです。以前にも、米軍は新兵に美容整形の費用を与えるなどの特典を付けたことがあります。もともと、復員軍人援護局は退役軍人向けに新居購入の際にローン保証(VA Guaranteed Home Loan)を用意しています。このため、退役軍人は低利の住宅ローンを使えるのです。万一、借り主がローンの支払いができなくなっても、軍が損失を補填してくれるので金融業者には安心感があります。低利ローンで申込み数を増やそうとするのは当然です。これに40,000ドル分の頭金を払えるとなれば、ローン総額や支払期間を大幅に減らすことができます。こんな風に、米軍にはたくさんのプログラムがあるので、資料と首っ引きで使えるプログラムを全部使うようにすれば、かなりの得ができるようになっています。それを理解せずに、変な事件を起こして除隊する者がいるのは、本当に不思議な話です。
しかし、これにはリスクも伴います。戦地に派遣されれば怪我をしたり、死ぬ危険もあります。しかし、訓練期間中に戦闘には不向きとみなされ、後方支援部隊に配備された場合、危険を冒さずに利益だけを享受できるかも知れません。それを狙って軍務につく者も中にはいるだろうと思われますが、そうした事柄について注意が向けられることはまずありませんし、メディアも取り上げることはありません。私はいつも、その実態について知りたいと考えています。