military.comによると、アフガニスタンの国境から30kmに位置するカア(Khar)にあるパキスタン領内の投票所が爆破されました。
投票所は建設途中の刑務所に設置されていたのですが、夜明け前に大量の爆弾で爆破され、大きなダメージを負ったということです。幸いに犠牲者は出ませんでした。
気になるのは、軍広報官アザル・アッバス少将(Maj. Gen. Athar Abbas)の発言です。投票が実行されるように392,000人の警察を支援するために、81,000人の兵士が派遣されている、と少将は述べています。それなのに、この投票所に夜間、武装勢力が大量の爆弾を運び込むのを防げなかったのです。ちなみに、パキスタン陸軍の兵数は619,000人といわれます。選挙のために、これだけ配備して、一体なにを監視していたのかという気がします。こういう事件があった以上、今後はすべての投票所を24時間監視することにするのでしょうが、先行きが思いやられる話です。
カアはバジョール地区(Bajur area)の中心的な町ですが、トライバル・エリアの中にあり、かねてよりテロ攻撃が起きている場所です。そんな場所で投票所を爆破するのは、当然、武装組織のパキスタン政府への圧力です。これでムシャラフ政権が余計に焦り、強攻策に出ないことを願います。
こうした問題を他人事と考えるわけにはいきません。いまや、パキスタンは対テロ戦争を考えるで重要な場所であることを忘れることはできません。