M1A2エイブラムス戦車がバグダッドの都市環境により馴染むように改造されることになりました。military.comによると、これはかなり大がかりな改造です。
都市地域用のサバイバルキット(the Tank Urban Survival Kit: TUSK)は、次のような内容を含みます。
操縦手用の安全シート
詳しい説明はありませんが、多分、IEDの爆発から操縦手を守るような装備ではないかと想像します。
装甲の追加
砲塔上部にある50口径機銃に弾を再装填する場合でも、上半身を露出しなくて済むよう、キューポラの部分に装甲板が追加されます。
視覚装置の改良
詳しいことは書かれていませんが、敵を特定し、より正確に狙えるようになるとのことです。
狙撃銃の追加
コラテラル・ダメージを抑えるために設けられたようです。砲塔のどこかに設置されるのでしょう。RPGを構えた武装勢力がビルの窓に見えるような場合、車載の重機関銃で撃つと周囲にいる無関係の人たちにも被害が及ぶ恐れがあります。単発の狙撃銃なら、もっと安心して攻撃できるというわけです。これはいかにも都市部用の装備という感じがします。
いずれも改造する値はある内容だと思います。また、これらから、私たちは都市部で米兵が当面している問題を推定することができます。車載機銃を再装填が必要なほど使う場合があり、同時に正確に狙って攻撃したい時もあるということなのです。そして、おそらく、操縦席の強度がIEDに耐えられず、操縦手の被害が多く出ています。この改造キットは、戦車兵にとっては選択肢を増やすために歓迎されるでしょう。もちろん、それで戦力が著しく増すわけではありません。
別件ですが、沖縄でのレイプ事件で、外出禁止を受けたのは軍人だけでなく、その家族に及んでいるとmilitary.comが報じました。国内報道では軍人と軍属が対象だと書いています。軍属は軍人の家族を指す場合もありますが、一般的に辞書が認める意味は、軍人ではないけども、軍で働いている人たちのことです。外出禁止令は、礼拝、教育、医療に関する場合以外、全日一切の外出は禁止という非常に厳しい内容です。日米にとって不幸なのは、この事実を日本のマスコミが正確に報じていないことです。せっかく、米軍が厳しい対応を見せているのに、日本人は「当然だ」くらいにしか感じていません。