military.comによると、トルコ軍が地上部隊による越境攻撃を開始しました。総勢1万人の兵士がイラク領内6マイル(約9.7km)に侵攻中です。地上部隊の侵攻は砲爆撃のあとに開始され、空軍の支援の下で行われています。同時に国境から約20マイル(約32km)のセダファン地域(Sedafan)の村を砲撃しました。
テロ専門家によると、この作戦は毎年春にPFFが侵入を始める前に叩いておくためで、大規模なものではないといいます。これでこの時期外れの攻勢に説明はつきます。国境付近の基地を破壊し、春まで占領することで、PKKがトルコ国内でテロ攻撃を行うのを阻止するのでしょう。しかし、トルコ軍は昨年攻撃を始める時機を逸し、天候条件が厳しい今になって攻勢をかけるという理解しにくい手法を選択しています。空軍の支援を得るにも、この時期は天候が不安定で、確実な支援は受けにくいはずです。ニュース映像を見ても積雪はかなりの量ですから、兵士の活動は停滞することでしょう。PKKは直ちに反撃するのではなく、どこかに手薄な場所がないかを探し、トルコへの進入路を確保しようとするでしょう。そのための戦闘はあり得るでしょうが、大規模な戦闘にはなりません。
ところで、注目されていたマハディ軍の停戦は、停止されるどころか、さらに6ヶ月の延長を見ることになりました。どうやら、先の脅迫は、この延長による威信の低下を避けるためのブラフであったようです。すると、停戦は8月に本当に解けることになります。それまでは、米軍は楽ができることになります。この停戦延長の本当の理由は何なのかが気になります。組織の粛正ならもう十分に時間を費やしたと考えられます。他にも理由があると考えるのが妥当でしょう。