military.comによると、177年の歴史を持つイギリスの王立統合防衛・安全保障研究所(the Royal United Services Institute)の協議会で、ロボットによるテロ攻撃の危険性が主張されました。
自動操縦のセスナ機がビルに突っ込んでいくといった技術が、まもなく実用化されると軍人やコンピュータ研究家は予測しています。2006年にヒズボラがイスラエルの領土内に、ホバリングする無人機を送り込みました。2003年にはハマスのメンバーがイスラエルの無人機による攻撃で死亡しています。アルカイダ系グループはラジコン機に爆弾を取りつける方法を研究しています。太平洋を横断する無人の潜水艦で麻薬を運ぶ可能性も主張されました。軍が無人機や無人車両の研究を続けていることも、こうした傾向を助長すると考えられているというのです。
こうしたロボットを製作するのには、時間も金もさほどかからないと記事は書いています。イギリス海軍のクリス・ペリー少将(Rear Adm. Chris Parry)やコンピュータ科学者のリチャード・スターキー(Richard Starkey)らがそう主張したのですが、疑問を感じます。ラジコン機と本物の無人偵察機とでは、能力や製造費用に大きな差があります。セスナ機を遠隔操作できるなら、かなりの爆弾を積むことができるので脅威にはなりますが、製作するのは大変だろうと思います。この議論で、こうした武器を作る具体的な方法は示されなかったのか、何も書かれていません。テロに利用されることを避けるために、方法は示さないまでも、費用や期間を示すなどすれば危険性を訴えるのに好都合ですが、そうした発表はなかったようです。911テロに類似したテロを想定するばかりでは、まったく別の方法によるテロ攻撃への注意が疎かになる危険もあります。私はもっと単純なテロ攻撃の方が心配です。