military.comによると、連邦判事は、米海軍にハワイ沖で海洋生物を死傷させるソナー演習を行う時は、さらなる用心を行うように命じました。
米海軍は今後、ハワイ沖合では、ソナーに対して鋭敏な、くちばし状の形態を持つ鯨が見つかっている海岸から12海里(22.22km)以内では演習を行えません。海軍は、1日に1時間、ソナーを使う前に海洋生物を捜索し、ソナーを使う間は3カ所に監視役を置き、海洋生物が500フィート(152.4m)以内に存在する時はソナーの発信を停止しなければなりません。また、ソナーの出力は海洋生物が苦痛を感じる前に海域を退去できるように、演習開始時は少しずつ上げなければなりません。
カルフォルニア州でも類似した制限が実現しており、この傾向が定着しつつあります。潜水艦の演習が海洋生物に配慮しなければいけなくなったという点で、これは画期的なことです。この動きは世界に拡がっていくことは容易に予測できます。当然、日本でも起こることを予期しておく必要があります。どの国の軍も、こんな要求には抵抗するでしょうが、この制約は戦時にまで適用されるとは考えられません。平時における演習においてなら、国家に大きな損失を与えるとは考えられないという論理が成り立ちます。こうした要求が実現するかどうかで、その国の民主主義のレベルが計られる時代がやがて来るのでしょう。