ファロン海軍大将が中東軍指揮官を辞任

2008.3.12



 military.comによれば、米軍中央軍司令官のウィリアム・J・フォックス・ファロン海軍大将(Navy Adm. William J. "Fox" Fallon)が辞職しました。辞表は3月31日付で有効となります。後任はマーティン・デンプシー陸軍中将(Lt. Gen. Martin Dempsey)です。

 辞職の理由は、ファロン大将の意見と政権の政策との相違です。政権の一部に、イランとの軍事力を用いた戦いを支持する声があり、外交と経済による圧力を支持するファロンと対立していたのです。ファロン大将は、ゲーツ国防長官に「認識される相違が任務から起訴を逸らさせるものになった。辞職はなすべき正しいことだ」と述べたといいます。しかし、ゲーツ国防長官は、これらの問題に関して誤解があっただけで、対立は存在しなかったと述べています。複数の報告によると、2007年早くにファロンはペルシャ湾での艦隊の増強と、イラクの攻撃に反対したといわれています。

 また、有能な軍人がブッシュ政権に対してさじを投げました。ゲーツ国防長官は対立を否定していますが、著しい意見の違いがあったことは容易に想像できます。ゲーツはファロンを気遣っているだけです。それ以上に驚くのは、イランとの直接対決という危険なシナリオを支持する者が本当に政権の中にいるということです。これは疑いなく最悪のシナリオです。すでに米軍は疲弊しているということが、繰り返し警告されています。イラクでも米軍は薄く引き延ばされています。この上、イランに攻め込む余裕はありません。こんな意見を主張している者は一体誰なのか? おそらく、ブッシュ大統領ではないでしょう。彼はすでに事態を掌握し切れていないことは自覚しているはずです。

 日本政府はこの話を聞いてもまだアメリカを支持し、追随するのでしょうか? 

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