military.comによると、米国防総省はイラク開戦前にサダム・フセイン大統領とアルカイダの関係を認め得なかった研究の公表を中止しました。その代わり、申請すれば国防総省は書類のコピーを記録したCDを郵送してくれます。
フセインとアルカイダの関係は、イラク開戦の大儀のひとつでした。しかし、60万以上の証拠を検証した結果、両者の関係は認められなかったというのです。ABCニュースによると、フセイン政権のテロ作戦の主目標は、イラク国内とその国外にいるイラク国民だったと、研究は指摘しているとのこと。
これは非常に大きなニュースなので、日本でも報道されるでしょう。このことは以前から、様々な人たちによって説明されてきましたが、今回は国防総省の公式見解です。そこにポイントがあります。ブッシュ政権は、このことを堪え忍ばなければなりません。だから、国防総省自身はインターネット上に公開しない形にしたのです。あまり有効な手とはいえませんが、それでもやらない訳にはいかなかったのです。
アメリカが開戦の理由を大げさに言うのは歴史が証明しています。第二次世界大戦では、日本が世界をドイツと二分しようとしていると宣伝し、ベトナム戦争では存在しない攻撃をあったと誤認し、そこから共産主義者の東南アジア支配を許すなという理由を付け足しました。アメリカに限らず、どこの国も同種の行為を繰り返しています。大きな声で叫ばれる脅威の中に本当の脅威は少ないことを肝に銘じ、私たちはニュースを慎重に読み解くべきなのです。