space-war.comによると、アメリカはイギリスに、バスラへの増派を要請しようとしています。
バスラは昨年12月、治安権限を英軍から譲渡されました。英軍は約4,100人をバスラ周辺に駐留させています。匿名の上級米軍高官が、この地域では三つの大きな武装勢力がイラク南部で血で血を洗う戦いを続けていると述べたと、記事には書かれています。マハディ軍とバドル旅団はその中心です。英軍は武装勢力を刺激しないようにバスラ市内に入らないようにしていると言いますが、米軍は市内を警備したいと考えています。そのために、英軍に兵力を増員して欲しいと考えているのです。それが無理なら、海兵隊を派遣したいとの意向です。しかし、匿名のイギリス文官によれば、イギリスは増員に消極的とのことです。
比較的情報が入りにくいのがイラク南部、特にバスラの状況です。武装勢力同士の対立により、治安が悪いことは分かっていますが、具体的な情報が不足しています。ワシントン・ポストが、バスラでイラク軍とマハディ軍が戦い、少なくとも12人が死亡した事件を報じていますが、一定期間のデータがないと事態の傾向が分かりません。死傷者がどれだけ出ているとか、テロ事件の頻度がどれくらいかといった情報に、なかなかお目にかかれません。ひょっとすると、かなり悪いのに、情報が伏せられているのかも知れないと、私は考えています。今回の報道はそれを裏づけているように思われます。