タクシー運転手殺人事件が米国で報じられる

2008.4.5



 タクシー運転手、高橋正昭さんが米海軍の水兵に殺害された事件は、military.comでも報じられています。私の記憶では、今回の記事で2度目です。CNNでも報じていました。無許可離隊の兵士が逃亡中に殺人を犯したのですから、関心が集まるのは当然です。

 日本の怒りを静めるため、横須賀基地では水曜日に隊員の旅行や飲酒に制限を課しました。「禁止」ではなく「制限」と書いてあることから、一定の条件では許されているのでしょう。その条件が何かは記事には書かれていません。日本のメディアでは、このことはほとんど報じられていないので、ここで紹介しておきます。この制限は来週の月曜日まで続き、そこで再検討されるとのことです。米海軍が気を遣っていることは分かりますが、これくらいで日本の怒りが収まるとは思えません。

 そして、今日の国内報道によると、この事件は別の方向に向かいつつあるようです。ナイジェリア国籍で、グリーンカードの資格で海軍に入隊したオラトゥンボスン・ウグボグが弁護士に、高校生の頃から「声」が聞こえるようになり、治療を受けており、「船の上で精神的な出会いをして、デーモンを見て、デーモンと戦った」とも陳述したのです。総合失調症を思わせる陳述です。現段階では、この陳述は裏付けが取れていません。治療した医師が誰だったのかを確認し、治療の内容を知る必要があります。一応、仮病の線も考えておかなければなりません。

 そして、米海軍は、入隊の際の検査で見抜けなかった点を日本から批判されることを気にするでしょう。日本人の精神病に対する態度はアメリカとまったく違うので、米海軍が心配するほどの問題にはならないで終わるでしょうが、米国内ではそうはいきません。military.comには、この供述については書かれていませんが、いずれ報じられるのではないかと思います。

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