space-war.comによれば、木曜日、イラク駐留米軍司令官デイビッド・ペトラエス大将がヌーリ・マリキ首相に、シーア派武装勢力への対処は「極めてきめ細やか」に行うよう要請しました。強引な手法はマハディ軍の停戦を終わらせる恐れがあるためとのことです。
ペトラエス大将によると、マリキ首相は数日間の警告を与えただけでバスラでの武力行使に踏み切り、一部の軍人や警察官が寝返ったことで行き詰まりました。大将は、作戦の計画や準備が不十分であったと述べました。
先に、この作戦は唐突すぎると私は書きましたが、現場の軍人も同じような見解を持っていたようです。作戦に参加したイラク兵は2千名余りと聞きます。寝返った兵数は900人ですから、作戦を頓挫させるには十分です。
こうした作戦でも指示せざるを得ない立場に置かされていることを、この記事は示しています。ホワイトハウスで記者が質問しても優等生的な返事が返ってくるだけで、作戦の問題点は分かりません。現場レベルで考え、その決断が妥当かどうかを考えなければならないのです。ペトラエス大将の意見は正しいとは思いますが、時期が遅すぎます。軍事活動は常に「戦う前に勝負はついている」という発想で考えなければなりません。「覆水盆に返らず」という諺もありますが、後から理屈をつけても駄目なのです。
この記事はバスラ作戦の問題点を明確に指摘しています。この作戦はまったく無意味だったと言っても過言ではないでしょうし、むしろ事態を悪化させた恐れが十分にあります。記事には、まだ続いているサドルシティでの戦闘の模様も書かれています。事件の余波はまだ収まっていません。このような状況では、イラクの自立は夢でしかありません。