バグダッドでテロ攻撃が増大

2008.4.15



 military.comによると、最近、イラクでのテロ事件が頻発し、約1週間で少なくとも19人の米兵が死んでいます。この期間は、米軍にとって今年で最悪の1週間となりました。

 米軍は少なくとも13人の武装勢力を殺害したと発表していますが、イラク警察によるとイラク人の民間人7人が戦闘によって死亡したということです。サドル師はイランにいるとみられており、土曜日に米兵がイラクから去り、彼の支持者にアメリカによる占領に協力しない限り、イラク人を攻撃しないように求めました。サドル師は、サドルシティの奥深くに英軍が入らない限り、米軍やイラク軍を攻撃しないという命令を出しました。サドル側も米軍も、大規模な対決は望んでいないようです。イラク政府はサドルシティへの出入り禁止を解き、サドルシティの住民のイメージ回復を狙っています。先月、61%の米兵の戦死はバグダッド市内で起こりました。2007年2月は28%、同年4月は47%でした。記事には、ほかにも色々とテロ事件に関する情報が書き込まれています。

 バスラ攻撃が引き起こした混乱が今でも続いていることが分かる記事です。この記事を読むと、いくつか疑問が湧きます。サドル師がイランにいるのは、分派した者たちによる暗殺を恐れているのでしょうか。アメリカが米軍を攻撃しているマハディ軍との全面的対決を望んでいないのは、戦いの形としてあまりにもイビツではないでしょうか。割合で見ると、バグダッド市内での米兵戦死者は増えていますが、数の上では概ね同じです。global-security.orgの情報を見ると、2007年2月の米兵死者数は81人、4月は102人でした。割合から実数を計算すると2月が22.68人、4月が47.94人です。先月の米兵死者は報告のみの死者数を含めると22人ですから、近い数字と言えます。すると、地方のテロ活動が減ったけども、バグダッドは大差ないということになります。

 また、同紙によれば、アフガニスタンでは第101空挺師団7,200人が到着し、同国にいる米軍の兵数は32,000人に増えました。アフガンの米軍指揮官はさらに3個旅団、約7,500人を派遣するよう要求し、国防総省は来年要求分を派遣すると約束しています。2001年にタリバンを追放した時は連合軍の兵数は10,000人でした。2006年末に、その数は40,000人になり、現在約70,000人に膨れあがっています。去年は2001年以来、被害が最大になりました。民間人1,500人を含めた8,000人が武装勢力に関連する事件で死亡したと国連が報告しています。アフガンでは、約40ヶ国の軍隊が全軍の半数を占める兵数を派遣していますが、負荷の高い戦闘を受け持っているのは、イギリス、カナダ、オランダだけです。

 この記事で、アフガンでも徐々にテロ活動が活発になっている様子が分かります。日本が洋上給油をやっても、テロ活動に何の歯止めもかけられてはいません。

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